• 陽性率騒動による誤誘導
  　ーーーノーベル賞学者や大学教授などによる陽性率と死亡率の相関データなどを用いて、 東京の陽性率高止まり状況を高感染率危惧方向に誤誘導し、都の感染率データの信頼度を 低下させたーーー
  1. 最近までずっと、4日以上発熱などの厳しい検査要件を満たした上、保健所や帰国者相談 センターに電話し、PCR検査受診を相談、それからやっと検査して貰えた。（最近は かかりつけ医の依頼で検査できるようになったが）
  2. 帰国者外来の医療機関で検査し、保健所に結果が伝えられ、そこで集計する。
  3. さて、保健所などの担当者は、経験を積み、電話だけの問診技術も向上し、 コロナ患者を高確率で特定できるようになった。つまり他の疾患をうまく排除できる ようになった。保健所の方々の努力の結果であり、大変素晴らしいことだと思う。
  4. すると、検査に回す検体は大抵コロナ感染者由来だろう。それで陽性率が高く なって何が困るのだろうか。素晴らしい担当者の成果だというべきだろう。
     　（むしろ電話問診によるコロナ感染確定のプロの域に達したと評価できるはずだ。 40％もの高確率で特定できるのだ。日本人の得意な技だ。）
  5. それを報道では、さもまずいことのように批判する。これでは視聴者も 誤解するし、特に保健所職員への誹謗とまで言えそうに心配する。
• 東京・大阪圏の自治体首長は、「ステイホーム」などと自粛一点張りだが、 自粛解除の条件に必要ないことで国民いじめをしている
  1. まず自粛の目的は何か。感染拡大阻止、つまり実効再生産数の低下だ。欧米では 2.5とされ、一人の感染者が次に2.5人に感染拡大させることを示す。１では 横ばいで新規感染者数は変わらないが、1以下で新規感染者は減っていく。外出8割 削減で大体0.5を目指す。
  2. 緊急事態宣言後の2週間でそれは0.5になった。 つまり外出8割削減目標に達している。日本国民の誠実さのお陰だ。それなのに、 さらに「ステイホーム週間」を提案し、今や 9割削減に相当する程度に下がった。でも、さらなる自粛を求める。まるで 欧米のロックダウン程度までを目指しているとしか考えられない。
     　公園や湘南海岸や、休業やパチンコ店などが報道される。報道も自粛破りを詰問する。 もはや自粛が自己目的化してしまって、感染拡大阻止の目標は忘れ去られている。 国民は必要以上にいじめられているのだ。
  3. 自粛解除の条件は何か。海外例のすべてで、検査拡充による感染者数の 把握が最重要視されている。それで陽性者を隔離し、あらたな感染拡大を 阻止できるからだ。また国民に感染率の情報を提供でき、どの程度の自粛行動 が必要かを判断して貰えるのだ。韓国や台湾もそのお陰で緩い自粛だけで 普段並みの生活を送っているのだ。
  4. 日本では当初から検査拡充ではなく、クラスターつぶしと自粛の作戦だけだ。 だから医療崩壊にもつながり、休業など社会・経済の大被害を被った。
  5. 都の医師会有志やいくつかの区、地方自治体などが検査要件無視のPCR検査センター を計画始動した。厚労省も専門家会議も医師会もそれを容認するようになった。
  6. ところが東京・大阪圏の自治体首長はいまだに自粛だけを叫ぶ。2月末からの 首相の自粛・休校要請および検査体制整備不作為によるその後の感染拡大という 失敗を踏襲してしまっている。
  7. ドイツは実効再生産数1以下になったので、自粛を段階的解除している。 東京ではすでに0.5だ。しかし感染者数の把握にはいまだ手をつけていない。 「自粛」だけを騒いでいるのだ。本当に必要なのは、「検査」だけのはずなのに。
     　「ステイホーム週間」ではなく、「検査週間」と早く騒がないといつまでも 厳しい自粛が続くことになる。自治体首長は、国民を自粛でいじめるのに 喜びを見いだしているのかもしれない。または、行動削減8割を達成できた として、検査による感染状況把握も無いまま、早期に自粛解除、感染拡大第二波 を迎え、自身の指導力を再度アピールできる機会を心待ちにしているのだろうか。

  　以上、報道も、自治体も、大目標である感染拡大阻止の妨害をしているように 見えないだろうか。せっかく厚労省の4日以上発熱などの検査要件が取り下げられ、 また、有志の医師会や区や自治体や民間医療機関の努力でスムースな検査が可能に なってきたのだ。それらを後押しして、「検査週間」を叫んで、検査−＞ 感染状況把握−＞感染者の隔離による感染拡大アクセルをブレーキに転換、 を目指して欲しい。

  　自治体が自粛で国民をいじめ、報道がそれを助長しているように見える。 かつ検査に対しては、不作為のまま何ら推進せず、おまけに陽性率などを 問題にして、保健所の努力に対する評価どころか信頼性まで失墜させようと しているように見える。

ドイツと比較してみよう。同じ二次世界大戦敗戦国だ。
　ドイツ政府とメルケル首相は、検査充実、感染率把握に努力し、その情報を 公開している。国民が情報を基に自主的に判断し、妥当な行動をとれるように サポートしている。だから、自粛で実効再生産数が1に下がった現在、段階的に 自粛解除しはじめた。国民の判断を尊重している。これが民主主義だろう。
　日本では、政府行政が4日以上の発熱などの厳しい検査要件で検査を妨害し、 感染状況把握を無視した。そんな状況も情報も国民にはひた隠しにしていた。 そしてまず政府が自粛を要請命令し、国民を無理矢理従わせて、結局困らせた。 その政府行政は降参して、自治体に丸投げした。その各自治体が、今度は同じ 誤りの轍を踏み、検査拡充のことは無視し続けだ。そしてやはり情報を 何も公開しないまま、国民の判断も良識行動も期待せずに自粛だけを 強要した。報道も、その尻馬に乗り、自粛だけを国民に強要する。 何ら的確な情報提供に努力しないままにだ。
　この日本の行政者たちの行動様式は、二次大戦時のナチや軍部などの 統制体制を思い起こさせる。おまけに、この間の報道も、戦時下の特高 や憲兵のような国民監視組織を思い起こさせる。
　ドイツと日本のこの彼我の差は何によるのか。日本国民は敗戦から 何を学んだのだろうか。暗澹たる思いにさせられる。